北海道・旭川の木工メーカー〈ササキ工芸〉が、〈SASAKI〉として今年2月にリブランディングを発表。デザイナーに石橋忠人さんを迎え、オフィシャルコレクションの全面リニューアルを行いました。デザインと技術の双方を見直し、現代の暮らしや思想に寄り添いながら開発した新コレクションに注目です。
長年の技術と新たなデザインで挑戦する、新たな木工クラフト
日本でも有数の木製家具産地のひとつ、北海道・旭川で家具部材の加工メーカーとして1976年に誕生した〈SASAKI〉。木製小物を専業としており、小物だからこそ必要とされる職人の手仕事と、木という安定性の低い素材を、樹脂や金属加工と同レベルの精度で加工、量産できる高い技術を誇る、国内でも数少ない木工メーカーです。今回のブランドリニューアルでもそんな〈SASAKI〉の強みとこだわりがさらに活かされたラインナップが揃います。
新コレクションのデザイナーには石橋忠人さんを起用。素材には北海道産のカバやタモを積極的に取り入れ、それぞれの木目や質感を活かしたデザインで、シンプルでありながらひとつひとつ表情の違いを楽しむことができます。〈SASAKI〉のクラフツマンシップと緻密な技術力をもって具現化したプロダクトは、どれも現代のライフスタイルに馴染みながら、印象的な彩りを添えてくれます。
これまでも〈SASAKI〉は、製造の際に発生する端材を積極的に活かして小物製作をおこなってきましたが、近年の木材の調達が困難な状況もまた大きな課題と捉え、改めて木という素材と向き合っています。新コレクションでは、木取りから加工までの技術面の見直しをはかり、木材の白太も赤身も余すところなく使用。また、大きな木目を小物のスケールの中で個性として際立たせたり、着色によって佇まいの幅を広げるなどのさまざまな工夫を、デザイナー、職人の双方の視点から捉え具現化したプロセスも注目すべきこだわりです。
本コレクションは、2月28日(火)から開催される「IFFT 2023 東京国際家具見本市」より、正式に販売がスタート。日本国内のみならず世界市場を見据えた展開は、またひとつ、木の未来をポジティブに照らしてくれることでしょう。
石橋 忠人 Tadahito Ishibashi
有限会社アイディーエル代表 プロダクトデザイナー
1970年生まれ。中学生まで札幌の藻岩山の麓で過ごす。1995年千葉大学工学部工業意匠学科卒業。国内電機メーカーにて8 年のインハウスデザイナーの経験を積んだ後にビジネスコンサルティング会社にてクリエイティブ業務を担当。2005年に有限会社アイディーエルを設立。国内外の家電、情報通信機器、家具などのデザイン開発やコンサルティング業務に携わっている。クライアント企業の想いや、ユーザーの使い心地に丁寧に寄り添い、合理的な構造や素材選定で簡潔なデザインを導く事を信条としている。iF Deign Award、グッドデザイン賞など受賞多数。2010年、2011年経済産業省デザイナー海外派遣事業選抜デザイナー。2016年~法政大学デザイン工学部非常勤講師。https://www.idlab.jp/
INFORMATION
SASAKI オフィシャルコレクションデビュー 「IFFT 2023 東京国際家具見本市」
会期:2023年2月28日(火)〜3月3日(金) 10:00 – 17:00 ※最終日は16:30終了
会場:東京ビッグサイト東展示棟 7ホール ブース番号:IF7001 旭川家具工業協同組合内
SASAKI ポップアップイベント
会期:2023年3月24日(金)~5月9日(火)
会場:カンディハウス横浜ショップ
会期中はワークショップも開催予定。詳細はこちらから。https://yokohama.condehouse.co.jp/news/